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日焼け止めを塗っているのに、シミや肝斑が濃くなる理由
2026年7月10日
日焼け止めを毎日きちんと塗っているのに、シミが薄くならない。それどころか肝斑が広がってきた気がする。そんな相談を、サロンで数多く受けてきました。
これは珍しいことではありません。日焼け止めを塗る行為そのものは正しくても、塗り方や対象にしている光の種類が合っていないケースが非常に多いからです。
日焼け止めの多くはUVA・UVBという紫外線を防ぐことを前提に作られています。ここまでは間違いありません。ただ、肌に影響を与える光は紫外線だけではないことが、皮膚科学の研究で分かっています。
太陽光には可視光線と呼ばれる、目に見える波長の光も含まれています。この可視光線が、肝斑やシミの原因となるメラノサイトを刺激することが分かってきました。従来の日焼け止めの多くは紫外線対策が中心で、可視光線への対策までは含まれていません。つまり、紫外線をしっかり防いでいても、可視光線による刺激は防げていない場合があるということです。
さらに、日焼け止めは時間が経つと効果が落ちます。汗や皮脂、マスクとの摩擦で崩れることも多く、朝に塗ったきりで夕方まで同じ効果が続いているケースはほとんどありません。
シミや肝斑ができる仕組みには、肌の内部にあるメラノサイトという細胞が関わっています。紫外線や可視光線などの刺激を受けると、メラノサイトはメラニンという色素を作り出します。本来メラニンは肌を守るための働きですが、作られる量が多くなったり、排出がうまくいかなくなったりすると、色素沈着として肌に残ります。
肝斑はこのメラニンの生成が、頬骨のあたりを中心に左右対称に起こる状態です。紫外線や可視光線に加えて、摩擦や熱、女性ホルモンの影響も関係していることが分かっています。洗顔時にゴシゴシこすったり、日常的に頬杖をついたりする刺激だけでも、肝斑が濃くなることがあります。
そばかすは肝斑とは異なり、遺伝的な要因が大きく関わる色素沈着です。小さな斑点状に現れ、紫外線を浴びることでさらに目立ちやすくなります。同じ「シミ」という言葉で括られがちですが、肝斑・そばかす・老人性色素斑では、できる原因も対応方法も違います。
そしてもう一つ見落とされやすいのが、光老化という考え方です。これは紫外線や可視光線を長年浴び続けることで、肌の内部で徐々に蓄積していくダメージのことです。今日、明日で急に肌が変わるわけではなく、何年もかけて少しずつ色素沈着やハリの低下として表面化してきます。だからこそ「最近急に濃くなった」と感じる場合でも、実際には長期間の光老化が土台にあることが多いのです。
日焼け止めを塗ること自体は続けてください。その上で、いくつか見直せる点があります。
塗り直しの頻度です。屋外にいる時間が長い日は、2〜3時間おきの塗り直しが目安になります。朝の1回だけでは、日中の紫外線量に対応しきれません。
可視光線への意識です。日焼け止めを選ぶ際、紫外線だけでなく可視光線に対応した処方かどうかも一つの基準になります。屋内でも窓際で長時間過ごす場合、可視光線の影響を受けることがあります。
摩擦や熱の刺激です。洗顔やクレンジングの際に肌をこすっていないか、マスクの締め付けが強すぎないか、熱いお湯で洗顔していないか。これらは紫外線と関係なく肝斑を悪化させる要因になります。
ホルモンバランスや生活リズムです。睡眠不足やストレスが続くと、メラノサイトの働きに影響することが分かっています。日焼け止めだけに意識を向けるのではなく、生活全体を見直すことが必要な場合もあります。
ここまでの内容を読んで、自分のシミや肝斑がどのタイプに当てはまるのか、判断が難しいと感じた方も多いと思います。実際、肝斑・そばかす・老人性色素斑・炎症後色素沈着は、見た目が似ていても原因もケア方法も異なります。市販のスキンケアだけで対応しようとすると、かえって肝斑を悪化させてしまうこともあります。
シミケアを専門にしているサロンでは、まず今ある色素沈着がどのタイプに当たるのかを確認した上で、それぞれに合ったケアを行います。当サロンにも、これまで自己流のケアやクリニックでの施術で結果が出ず、原因が分からないまま悩んでいた方が多く来られます。
正しいケアは、正しい原因の特定から始まります。20年以上シミケアに向き合ってきて感じるのは、同じシミという言葉でも、一人ひとり原因も肌の状態も違うということです。
シミに長く悩んでいる方は、一人で悩まずご相談ください。